第5回ミニ交流会inさいたま 02月19日

顔の見えるあったかい関係、強めていこう たくさんのエールを頂いた交流会

 2月19日、農閑期に恒例となった『ミニ交流会』がさいたま市で開かれました。あいにくの寒波再来で、参加者の出足も鈍ることが予測され、不安の中で開会したのですが、あいさつが始まる頃には準備した席もほぼ埋まり、休憩をはさんで3時間、実り多い集会となりました。

 参加生産者は2名、まず野菜部会の五十嵐さんから「うまい野菜を作ることが全有連を発展させることと思い、励んでいる。また、新しい野菜、ミニ野菜づくりも手掛けている。自分たち生産者が安心して生産に勤しむためにも、他の団体に負けない魅力ある作物づくりをしていきたい。その為には土作りが一番大切。」と抱負が述べられました。続いてうまい米、安全な農業に没頭している稲作部会の熊谷重次郎さんから『山の神様』発酵菌を媒体とした堆肥作りについての報告があり、「昔はみんな自分で堆肥を作っていた。今は化学肥料で米や野菜を作る。それでは土ができるはずがない。人の身体にも微量栄養素が欠かせないように、土にも27種の微量栄養素が欠かせないんです。化学肥料だけで作った野菜や米は人の身体を不健康にするんです。」と力の入った『講義』を展開しました。

 第一部報告が終わって、休憩時間に記入して頂いたアンケートには、全有連の良い点として一番多かったのが『顔の見える関係を大切にしていること』、その他『作る楽しさが生産者に満ちていること』、『会員の意見に耳を傾け実行する点』も挙げられました。



うまいものはうまいの再認識   五十嵐さん

うまいものはうまいの再認識   五十嵐さん  ミニ交流会さいたま パート

 『若手』と紹介されると困った顔をする五十嵐さん。自分の農業経験に裏打ちされた誇りの表れでもあります。でも農業の世界では立派に若手で通用する40歳半ばです。 
 土を肥やすことがうまい作物を育てることと信じている五十嵐さんは、『うまいものは誰が食べてもうまいんだ』ということを最近改めて感じ、自信を深めています。「1月中旬のこと、腰まで積もった雪の中で白菜掘りをしていたら、1台の車が止まり「その白菜、分けてくれませんか」と声をかけられました。見ると友人のお母さんでした。その家は畑も持っていますが息子さんは会社勤め、耕作機も使えないので畑は寝かせたままです。純農村地帯天童市でも野菜は買って食べるものなんです。5〜6個車に積んであげると、その人は「雪の中から穫れた白菜が食べられるなんて、今日は本当に運が良かった」と喜んでくれました。昨年は樹なり完熟トマトを近所の人が羨ましがってくれたことも思い返し、うまいものは人を引きつける、土作りをもっと勉強して、もっとうまい作物を作るようにしたい」と意欲を語りました。

 甘〜い小松菜お届けします。

寒締赤根ほうれん草、雪中キャベツと冬もフル回転の五十嵐さんのハウスでは水菜が終了を迎え、今は小松菜がすくすく育っています。肥料設計に工夫を凝らした土は、甘味のある味の濃い葉を育てています。

 小松菜の葉の陰ではキジが4羽、毎日来ては小松菜をついばんでいきました。でもご安心、たくさん育っています。




今、血液サラサラです。 熊谷さん

ニトロを持ち歩いていた私、今、血液サラサラです。 熊谷さん

 八年前、建築事務所を息子さんに任せて本格的な米づくりに邁進した熊谷さんは、『山の神様』と呼ぶ土着菌の多様性に魅せられ、以来堆肥作りの奥深さに夢中です。
 以前は狭心症、心筋梗塞の恐れもあるとニトロを手放せなかった熊谷さんでしたが、自家製発芽玄米を食べることにより健康を取り戻しました。

 作り方は簡単、発泡スチロールの箱に1Lの玄米を入れ、30℃くらいの温湯を張ります。1日に2〜3回湯を取り替えて3日、ふっくらと胚がふくらんだ玄米の水を切り、小分けをして冷凍しておきます。炊飯の都度、半量ずつ混ぜ込んで毎食頂きます。三年ほど続けた今、健康状態は良好、血液診断でもサラサラということでした。

 もともとは技術者の熊谷さん。持ち前の研究心で、うまい米づくりに欠かせない堆肥作りに打ち込んでいます。発酵肥料は、米ぬか・大豆カス・油粕・薫製骨粉・牡蠣殻・カニ殻・ミネラルなどを原料に最高の状態にして資材として利用しています。短い時間では話し切れないほどの知識が溢れ出ていました。





皆さんに喜んでもらえるものを作ります。代表 米山 正 司会進行 米山 宏子


 第2部は回収したアンケートを基にフリートーキングを交わしました。「先日、庄内の軟白ねぎがうまいというので、視察にいってきました。こういう地元ならではの新しい産物もどんどん発掘し、お届けしたい。」と代表 米山 正。

 司会進行も幅広い知識をもとにソフトにスムースに進行させる米山宏子。消費者の立場にたった感性、主婦感覚で全有連のソフト面を担っています。






会員さんの一口コメント

左>この日スタッフとして参加して下さった、『お料理メモ』『おたより広場』の田中さん。「もう20年近くお野菜頂いています。娘も大学生、下宿で暮らしていて、たまに帰ってくると家の野菜はやっぱりおいしいって言ってくれます。家族の少なくなった世帯用に魚や肉が入っているセットもいいですね。」

右>昨年山形山に行って、全有連の良さを再認識しました。子供達はそれぞれで有機の野菜に関心を持つ子、無関心の子もいて様々です。もっと伝えたいと、青島さん

左>玄米を家で搗いて食べていますが、そのぬかが美味しいんです。ゴマのようにふりかけたり、粉に混ぜ込んだりして食べています。みなさんが喜ぶ情報でした。岩木さん

右>お野菜は大好きで食事の8割くらいは野菜を食べているほどです。おかげさまで今でもこの通り健康でいられます。石川さん


左>私は医療を教える立場ですが、医療の現場でも点滴栄養より消化器を使った栄養が大切、というように食というものの大事さが認識されつつありますね。親から世代交代した会員さんです。木村さん

右>先日学校で親子参加の授業があり、食べ物を通した免疫力の話がありました。帰って子供から「うちでは免疫力の高いものを食べているんだね」といわれ、こんなことも教育につながっているのだと改めて思いました。山形山での農業体験も、行けるときに行っておいてよかったと思っています。長倉さん


左>ユーモアのある語りでいつも会場を沸かせてくださる倉元さん。この日も、「料理作りはなかなか大変、さつまいもなんか入ってくると主食になっちゃう。そうすると野菜が余ってね」と。「商品案内が来ると買わなくちゃいけないのかとドキドキしちゃうんです。ニュースもっとシンプルで楽しいお知らせがいいですね。」倉本さん

右>今も続けている米づくり。きっかけは山形山でした。
10年くらい前、山形の葉山大円院でお米作りに参加して、土のぬくもりに触れ、以来、毎年山形山に通ってきました。今は埼玉で共同の田んぼでお米作りをしています。安全でおいしい野菜やお米の味が分かる消費者は少なくないと思うので、これからもそういった人たちに働きかけ、全有連を発展させていって欲しいですね。松田さん


左>消費者も、もっと勉強しなければと思います。
私の家は農家でした。昔は自分も三本鍬などで農業を手伝ったものです。今思うと水銀系の農薬なども使っていて、危なかったんですね。全有連の活動については、私たち消費者の食・生活について農業を通して啓発して欲しいと思います。坂西さん

右>大学で農業を専攻している坂西さん。お父さんと一緒に参加です。小さい頃から全有連の野菜を食べているお子さんたちは、農業系の大学へ行くことが多いんです。
終了後、熊谷さんにベランダ堆肥の作り方を熱心に聞いていました。



懇親会、考えさせられる話がいっぱい

 ミニ好流会終了後は場所を居酒屋さんに移して懇親会。
共通の話題である農業はもちろんのこと、今、問われている教育について語り合いました。
 教育に携わっている松田さんご夫妻からは、教育の現状や、食事をきちんと摂れていない子供達の危うい状況などを伺い、食育の大切さを切実に感じました。

 山形-大宮間が2時間半という近さもあって、スタッフは日帰りをしました。
 それでもたっぷり2時間、別れがたい語り合いができました。


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