全国有機農法連絡会主催 ミニ交流会レポート
1月25日 大宮パイオランドホテルにて
大盛会 ミニ交流会

『語り合おう農業の現在・未来』
 ミニ交流会は、毎年開催されている定例対話集会だけではなく、できるだけ多くの会員の方々と語り合うことが次のステップになる・・・そんな思いから、地域ごとに『ミニ交流会』として企画されたものです。
 第一回は、「埼玉」。さいたま市大宮駅近くのホテルを会場にして開催されました。
集まったのは、全有連から6名とさいたま市にお住いの会員さんを中心に20名。
 今回は、参加者のご意見もそれぞれご報告します。

世界の中で日本農業の危うい現状
 全有連 代表 米山 正

 代表の米山から、WTO問題、FTA問題、改正農薬取締法問題について報告。
 全有連として、いかに安心度の高い農産物を安定的に供給するか、高食味度の栽培方法の研究、若手農家育成と会員さんとの濃密な関係を構築することなどが語られました。





農薬は人体への配慮なく、作物を作るためだけ。
 
合鴨米生産者 米山 仲雄さん
 3年前の対話集会で皆さんと初めてお話ししたのは、私がちょうど65歳でした。65歳というと、農業者年金がもらえる歳でしたが、息子はサラリーマンで後継者がいない、後継者がいないのに年金をもらうと農業経営から離れるということになるんです。私は皆さんから米づくりに感動してもらったことなどを思い、働けるまで働こうと年金も断って農業しています。

 今、なんで有機農業にこだわるかというと昔、昭和30年代の食糧増産の頃は田んぼに散布する農薬がもの凄く効果あったんです。今考えてみると、恐ろしい。セイサンなどという特効薬があったんです。その頃水俣病の被害をみて、これはいけない、農薬は自分の命を縮めるものだと悟った。その後出たのが、我々を楽にしてくれる除草剤です。その除草剤を撒くと、そのうしろでドジョウや魚がその場で死んでいく。悲惨な姿です。それもその後に分かったのが、ベトナムの奇形児でした。

 農薬というのは、そんなものです。こんな農業から脱却したいと思って考えたのが、有機農業でした。あきたこまちの前はササニシキ、秋田県では庄内(本庄)の米なんです。内陸には向かなかった米なんですが、農薬からの脱却ということで、作るのも難しいがこれを作った。

 今は、除草剤からも解放されて、鴨で除草しています。昭和45年頃から減反政策となり私も転作でメロン、スイカを作りました。太田市場やデパートにも持っていきました。ところが、お客さんは格好のいいものしか買ってくれない。作るだけ損するみたいなので今はやめています。

 今、市場出荷で野菜を作っている人達が周りにもいますが、自分達の食べる野菜は露地で農薬をかけないで作っています。市場に出すものは三日に一遍農薬をかけてます。何故かというと見映えの良くないものは市場で売れないんです。農家が生活するために農薬、化学肥料の繰り返しです。我々から見れば、こんなものは誰が食べるのかなと思います。



会員さんの生産者への思いに感動 
 
野菜生産者 五十嵐芳恭さん
 「農業で生活できないから農業をやる人がいなくなる。だったら私たち消費者が農業で生活できるように全面的に協力したい。」「私たち消費者も、見た目の良さや珍しさだけにとらわれないで作ってくれる生産者の方に合わせていくべきではないか」等々、全有連の会員である消費者の方々が、これほどまでに私たち生産者のことを考えてくれているんだということを改めて感じ、とても頭の下がる思いでした。

 今回交流することができて、またさらに、この方々の気持ちに答えるべく、より安全でうまいものをどんどん送ってあげたいという気持ちでいっぱいになり、私の中では名前はミニ交流会であっても、大きな収穫のあった大交流会でした。

 『お客様は神様です』の神様は私たち生産者からすれば会員の皆さんですが、このミニ交流会を終えて感じたのは、『全有連』という組織は、ただ単に“農作物と金との交流”だけでなく、会員と生産者、そして全有連のスタッフが1つの組織となって、お互いのメリットを求めながら、心と心で繋がっているんだなと、つくづく思いました。

 何だか嬉しい気持ちになって、いろんな提案をさせていただきました。その内容はここでは省略しますが、今回参加して下さいました皆さんとの約束を1つずつ、少しずつ、生産者、全有連スタッフの皆さんと相談しながら一緒になって実現させていこうと考えています。


若杉さん
阪神大震災の救援物資援助に感動
 
毎週送られてくる野菜はとても楽しみです。大地からの恵み・贈り物だと思っています。うちには小さな子供がいるので、安全なものを食べさせてあげたいんです。
 今は、野菜もお米もお肉も全有連が提供しているもの全部利用させてもらっています。全有連に入って感動したことは、阪神大震災の初期の大混乱の中、救援物資を供給されたこと。「よく行かれたなあ、凄いなあ」と大きな感動をしたことをいつも思い出します。
 消費者と生産者、全有連とこうやって話し合う事ができることでさらに信頼に繋っています。

石川さん
食を守る事は生産者を守る事
 
大病したきっかけで全有連の野菜を取りましたが、何年か経ち、実際に安全な食事をこころがけ、フォトニュースの情報などから、農や環境保全そして食の大切さを学んできました。
生産者が減っていくのは、その仕事をしても食べられないからだということ。やむを得ずやめる人もいるでしょう。
 でも私たちが守りたいその農産物=生産者を助けられるように、もっと考え、もっと応援するのも私たち消費者の役割と思っても良いことではないでしょうか。
 私は農家を応援したいと思って人にも勧めています。

中山さん
医食同源。情報を多くしてみては?
 
私が入会したのは10年前くらいでしょうか。今、五十嵐さんの「アスパラ菜」の例ですが、どんな成分でどんな食べ方をするかメニューの隅にでも書いてあるといいですね。毎週入っていた時には飽たり、困ることもありますから。
 肉の改善では少しずつ良くなっていると思います。とんとんの冷凍の段階で肉がくっつかないよう工夫してもらいたいですね。使いやすさも大事です。
 畜例剤のリサイクルにも積極的になって欲しいです。
 昨年も静心荘のイベントには多く参加しました。今年もイベントを楽しみにしています。

竹内さん
若い世代にも食べられる価格設定を!
 
私は何も不満は無い。良いものを食べたいので、これからも引き続きお願いしていきたい。子供のころ農業の手伝いしたので、送れて来る野菜のありがたさが良く分かります。
 米に白い物(乳白米?)が多くても文句言わずに食べている、ブロッコリーの芯もミキサーかけて使ってます。また、お願いするとアケビなど届き季節が感じられてうれしいですね。農民連さんとも1500円のボックスを月2回利用しているので、全有連さんとは隔週でお願いしてます。
 娘にも勧めているが高いので手が出ないようです。
若い世帯でも食べられるように価格設定出来ればいいですね。100円でも安い方が良いものです。

米澤さん
野菜の梱包には感心しています。
 家族全員で「食育」をやるほど「食」にはこだわりっています。大手の有機野菜宅配会社各社から野菜を取っていましたが、新聞紙などを使って一番丁寧な包装をしていて、野菜に対する心が感じる全有連が一番です。その他は生活クラブ、シュガーレディなどを利用しています。
 安心なお魚を食べる会の大漁丸は、主人がさばいてくれて楽しくいただいています。知多半島の干物が好きでしたので、生産者の引退は寂しいですね。どこか良いところを早く見つけて欲しいです。
 大学で教育関係の職員してますが、全有連の体験農業にも教育委員会に要請書を出してもらい良い関係を築いていきたくも思っています。

佐藤さんご夫妻
生産者と消費者の繋がりが大切。
 今年一年は消費者が騙された年でした。
 日本の自給率も40%割るような状態です。ドイツなんかは日本より条件が悪いはずなのに100%以上の自給してます。これはっどういうことでしょうか?新婦人の会にも関わってますが、基礎体力を作る自給率向上に消費者と生産者の繋がりを深めていかなければと思います。
 全有連からの野菜と農業の情報、そして静心荘での農業体験から、娘は農業に興味を持ち、秋田で農業を始めました。私は環境保全の一貫として、生ごみの堆肥化にも取組んでいます。ダンボールに米ぬか5kgと腐葉土を混ぜて生ごみを入れるとどんどん堆肥ができて簡単ですよ。

森永さんご夫妻
安心な食べ物にこだわり30年
 
10年前に、お米が冷害で無くなった時から入会しました。安心な食べ物は30年前から生協で取ってますが規模が大きくなったせいでしょうか?チリのカボチャなんか入ったりしていて疑問を感じたので、やはり小さいところと契約してます。全有連を含めて、そういうところは珍しい食材が入ってくるので、とっても面白く感じてます。
 ダンボールを市の回収に出すのに罪の意識があり、全有連に一回送りましたが返事がなかったのが残念でしたね。
 安心ミートクラブも利用していますが、肉は150g単位で包装してくださると助かります。

松田さん
野菜ってご馳走だったんだ!
 
阪神大震災の救援物資を運んだときはホントに感激しました。
6人家族なので週一回送られてくる箱は楽しみ。全有連とお付き合いし、イベントで大沼さんの田舎料理をご馳走になった野菜料理で「野菜ってご馳走だったんだ!」と初めてきづきました。
 野菜は工業製品と違い、天候に左右されるものなので予定を立てて作るのは生産者と全有連の方は、本当に大変だと思いますが、がんばって下さい。
 希望として、梱包材の処理やリサイクルには苦慮してますので、何か良い方法も模索してください。

鈴木さん
送料も健康を考えれば納得
 
安全な食品を求めて遠くまで買いに行っていましたが、家まで届けてくれる広告を見て全有連に入り、とても安心で便利な生活を送っています。野菜やお肉、お米と送料は月にするとバカにならない金額になります。少しでも安くなればいいと思います。
 それでも、毎日、安心でおいしいものをいただいて「健康」を手に入れ、病気もしないので治療費、薬代がないことを考えてみて納得しています。
 これからも全有連に期待してます。がんばってください。

佐藤さんご家族
元気な食と自然で元気な子が育つ!
 昨年も静心荘に泊めてもらいました。とても良い食と田舎を提供してもらっているので、全有連に感謝しています。
 この会に入ってからは特に「食」を考えるようになり、この子たちが食べるおやつやパンも安全なものを食べさせてあげたくて、生協や全有連から買って子供に与えてます。全有連ですべてを補えるように、今まで以上にいろんなものを揃えて欲しいですね。
 リサイクル品は全有連に送っています。リサイクルしたい方もたくさんいるはずです。全有連としてリサイクルの提案が欲しいですね。

倉元さん
ホーテロ村を拠点に有機的繋がりを!
 全有連には、ホーテロ村を拠点に有機的繋がりをしていってもらいたいですね。私もイベントなどに参加をしていましたが、現在は参加する機会が減りました。
 せっかくの静心荘、山形をもっと近く感じてもらうために、細かい事からしっかり情報を提供してみてはどうでしょうか?そうすれば、こんなに近いのか?こんなに楽しいのか?と意外と知らない事もたくさんあるのでは?いいきっかけ作りをしてください。
 野菜を梱包する新聞紙などは、たまには「山形新聞」を入れてはどうでしょう?山形などの地方の情報が入っているともっと身近に感じたりしますよ。

大塚さん 春恵ちゃん
妊娠がきっかけ。果物嫌いも治った!
 自転車で15分位に生協があり、よく買出しに行きます。しかし、最近、生協も添加物など入ってる物もありちょっと心配です。私は、健康保険組合の事務員ですが、同僚たちの食への認識の低さには驚きます。全有連をきっかけにさまざまな情報を知り「なぜ病気になるのか」考えさせられます。この娘を妊娠した12年前に全有連に入り、とても元気に育っています。
 この子は果物苦手でしたが、さくらんぼツアーに参加したのをきっかけに果物が食べられるようになりました。
 最近は、ゴミの問題に取組み、生ゴミは堆肥化したり段ボールをリサイクルをしたりして余分なゴミをゼロにしています。

池上さん
野菜で季節を感じる「本当の食」。
 私は、子供が小学生の頃に全有連に入りました。
静心荘のある幸生の子供達と交流させていただた時からのおつきあいで、その子は今ではもう社会人となりました。
昨年も多くのイベントに夫婦揃って参加しています。

 全有連から毎週送っていただいている季節の野菜から季節を感じ、これこそ本当の食のあり方と思ってます。
 旬の食べ物を食べることで、その季節にあった栄養がとれることが健康だとつくづく感じますね。

円卓を囲んで、和気あいあいで進行

安心工房の惣菜とお菓子でティタイム

フリートーキングは話題いっぱい

予定外の二次会も賑やかに・・・。


♪問い合わせ・ご質問はお気軽にどうぞ♪
全国有機農法連絡会
〒994-0071 山形県天童市矢野目2442
0120-654-091 FAX 023-654-6115
  E-mail:zenyuren@zyr.co.jp 

 
(C) Zenyuren All Rights Reserved.