稲作だより,  土の声

口飽きしないお米 土の声 2017.01 No.131

▼昨年11月26日、山形県庄内町で行われた「第10回あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテスト」の決勝大会へ行きました。このコンテストのおもしろいところは、機械による判定ではないこと。一次審査は一般公募の試食人へ5種類の米が送られ、自宅で炊飯し得点をつけ、得点の高い上位の米が決勝戦に進み、決勝はなんとトーナメント方式。審査員が「どちらがおいしいか」と食べ比べて最優秀賞が決まるというもの。さらに。来場者も決勝戦で審査されるお米の試食が可能です。
▼おもしろいことに勝ち進んでいくごとに味の方向性が明確になってくるのです。それは「一口目においしい」=「もちもちして甘い」。審査員も、どちらの米がもちもちしていて、どちらが甘いか、という選択となっているように感じます。それを裏付けるように、勝ち進んだ米は、もち米に近い低アミロース米「ミルキークイーン」と、岐阜で発見された「いのちの壱」という大粒でもちもち感の強い米が上位を独占。実際に味わってみて納得しました。
▼数日後「ミルキークイーン」を入手。最初はもちもちしておいしいのですが、慣れていないからなのか、途中で飽きてしまうのです。やはり、家庭で食べるご飯は、安心で栄養価が高く、毎日食べ続けても口飽きしない、そこに真価があるように思います。
▼今ご自宅のお米が人気の銘柄米でなくても「もちもちして甘い」を体験する方法があります。白米にもち米を2割ほど入れて食べてみてください。なるほど、と感じていただけるはずです。