稲作だより

  • 血糖値上昇を抑える食べ順を 土の声 2023.03 No.205

    ▼昨今のテレビのバラエティー番組は、大盛りや大食いのテーマの人気番組が多い。そんなに食べても大丈夫なんでしょうか、と不安になるのは私だけでしょうか。▼大食いでなくとも体によくない食べ方がある。それは食後の血糖値を急激にあ…

  • 白米に旨味を乗せる精米 土の声 2023.02 No.204

    ▼お正月特別便に入れた「サラダわさび菜」。出荷してくれたのは中山町の菊池さん。正月明け早々に納品にきていただいたお礼を伝えると「いいんだ、これから米の配達もあるからさ」といつもの笑顔で答えてくれた。「え、お米も作ってたん…

  • ご飯を健康食品に 土の声 2023.01 No.203

    ▼年末にバッテラを作った。大阪発祥の押し型を使った寿司。型に酢で〆た鯖を入れ、そのうえに酢飯を入れ、下駄のような蓋でぎゅっと押しこみ、天地を返して型を外せばできあがる。今回は酢飯に生姜の甘酢漬けや青しそ、煎りごまを合わせ…

  • 一人ごはんでも手作り味噌汁を 土の声 2022.12 No.203

    ▼ご飯の伴侶「味噌汁」。即席味噌汁市場は伸長を続け、単身世帯や夫婦二人世帯など小家族向けとなる健康志向型の商品や減塩タイプがトレンドで、フリーズドライ品の成長も著しいという。▼たしかに自分ひとりだけの食事に味噌汁を作るの…

  • 産直は生産も消費も守る 土の声 2022.11 No.201

    ▼え、これが「はえぬき」?と驚くほど、つやつやピカピカに炊き上がった。その米は全有連稲作連合会 堀会長の合鴨米。自宅で炊いてみると、やはりつやつやピカピカで、それがより一層強い(圧力IH)。やや果皮を多く残した胚芽米もつ…

  • 豪雨免れ無事収穫 土の声 2022.10 No.200

    ~豪雨免れ無事収穫~ ▼日本では過去にない進路を取る台風や強力な梅雨前線、移動する線状降水帯が多発した。7月15日には宮城県大崎市で記録的な豪雨となり、米や大豆などの四千ha以上の田畑が冠水。その3日後には長崎、福岡、佐…

  • 自宅療養はお粥+αで。土の声 2022.08 NO.198

    ▼コロナ(オミクロン株・BA5)の第七波の勢いが止まらない。7月28日の感染者は二十三万人を上回り、自宅療養者はすでに百十万人。自治体が届ける食品も追いつかないという。ここ山形でも自身の感染は「万が一」から「感染してもお…

  • 具沢山のおかゆやおじや 土の声 2022.09 No.199

    ▼仏教の大衆部に継承されてきた「摩訶僧祇律」には「粥有十利」としてお粥にはつぎの十徳があると伝わる。 一、【色】体の血つやが良くなり 二、【力】気力が増し 三、【寿】寿命が延び 四、【楽】食べ過ぎとならず体が安楽 五、【…

  • すずめの好物 土の声 2022.07 No.197

    ▼朝、会社の駐車場に車を乗り入れるとチュンチュンと鳴き声が聞こえてスズメが一斉に飛び立つ。ずいぶん前の、カラー選別機ではじかれた「玄米」と精米後の「割れ米」がごみ置き場に放置されていて再利用が難しく、これを駐車場の脇にあ…

  • 台風への備え 土の声 2022.06 No.196

    ▼すさまじい威力を持ち一夜で環境を破壊していく台風や線状降水帯による豪雨が毎年やってくるようになった。今年はラニーニャ現象が夏まで続くらしく、フィリピンの北からマリアナ諸島付近で雲が多く発生することで太平洋高気圧が北へ張…

  • 食糧危機 土の声 2022.04 No.194

    ▼新型コロナのパンデミックによって世界の経済活動は著しく落ち込み、温暖化の影響により世界各地で大規模な洪水や干ばつが頻発し、昨年COP26もあり、再び環境問題意識が世界中で高まっていた。コロナが弱毒化し世界が経済活動へシ…

  • 味噌汁ver.2.0 土の声 2022.03 No.193

    ▼毎朝、ごはんの右隣には必ず「味噌汁」がある。ごはんのお供以上に切っても切れない仲であり、朝食に限れば、これがないことはあり得ない。同じ汁物のおでんや鍋は季節料理なのに味噌汁は暑い夏でもその座を譲らない。味のベースは超優…

  • 口飽きしないお米 土の声 2017.01 No.131

    ▼昨年11月26日、山形県庄内町で行われた「第10回あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテスト」の決勝大会へ行きました。このコンテストのおもしろいところは、機械による判定ではないこと。一次審査は一般公募の試食人へ5種類の米が…

  • 田んぼと水 土の声 2016.08 No.126

    ▼私たちが食べているお米は水稲。水稲とは水田で作る稲のこと。水をたくさん使って作られます。今は、中干しを終えて、潅水と落水を繰り返す「間断灌漑」をしている最中。このあと、出穂から花が咲く時期には、たくさんの水を必要とする…

  • 満身創痍で 土の声 2016.09 No.127

    ▼今年の夏は気圧配置が異例でした。そのため、台風被害の少ない北海道に台風が4度も襲ったのです。8月17日に7号、21日に11号、23日に9号、31日にダメ押しのUターン台風10号。ハウス倒壊、河川氾濫、冠水など甚大な被害…

  • やまがたびより 土の声 2016.10 No.128

    ▼今年は、台風による被害が多かった。それも北海道から沖縄まで日本各地で冠水被害があった。今年の作柄は悪いのではとの予想に反し、被害は一部地域だったため、全国平均の作況指数は、「103」という高い数字。東北は、やや良の「1…

  • 有機の田んぼは生き物の楽園 土の声 2016.07 No.125

    ▼田植えから一か月半が過ぎた。事務所近くにある熊谷さんの田んぼを覗いてみると、人の気配を察知したのか、なにかがヒュッヒュッと動いた。離れたところで水面が揺れている。▼しかし、目にするのは、アメンボ、アマガエル、みじんこ、…

  • クイズです 土の声 2016.11 No.128

    ▼さて、つぎの説明と一致する銘柄はなんでしょうか。★銘柄・・・a・ササニシキ b・つや姫 c・あきたこまち d・はえぬき e・つや姫 f・ミルキークイーン。★説明・・・(1)粘りが少なく、あっさり・薄味の和食やお茶漬けに…

  • お米一合って何グラム? 土の声 2016.12 No.130

    ▼お米一合って何グラム?それに対して水は何ミリリットル?数字で覚えておくと計量カップが見当たらない、炊飯器が壊れて、というときに便利です。お米一合は約150g、それに対する水の量は1.2倍の180ml(白米)。おもしろい…

  • 西暦756年の稲作 土の声 2017.02 No.132

    ▼雪のない正月を迎えた山形。雪が降ってもあっという間に大地に吸い込まれていった。雪国に住むものにとって雪がない光景は、なんとも不安な気持ちにさせる。「雪は豊年の瑞」、こんな言葉があるからかもしれない。このまま春になるので…

  • SODの原料ミネラル 土の声 2017.04 No.134

    ▼「この米一粒一粒にいかに栄養を詰め込むことができるか、これが百姓の仕事」と一病息災を経験した熊谷氏。建築士として働いているときに眼底出血を起こし、医師から失明宣告を受けたのちに、眼の回復には「発芽玄米」がよいと知り、自…

  • 食がすすまないときには 土の声 2017.06 No.135

    ▼「冷やし中華はじめました」の季節がやってきました。まだ夏の体になっていないこの季節だから、少し暑くなるだけで、冷やし中華、キンと冷えた蕎麦、素麺、そしてビールなど冷たいものを喉に通したくなります。それに「初物」的な喜ば…

  • 人のいない田んぼ 土の声 2017.07 No.136

    ▼今年も無事に田植えが終了。5月は一年のなかでも一番田圃に人がいるのかもしれません。畔の除草、田起こし、肥料撒布、代かき、田植えと作業が続くため。とはいっても、ほとんどは機械を使った作業で、人が腰をかがめる姿は少ない。唯…

  • 合鴨農法の鴨の行く末 土の声 2017.07 No.137

    ▼秋田の米山さん、酒田の堀さんが取り組んでいる「合鴨農法」。田植え後に鴨を放すと、生え始めた雑草や、稲につく虫を食べてくれる。それだけではない。鴨が泳ぎまわることで、田圃が攪拌されて水が濁り、遮光されるのでその後の雑草の…

  • 今年はカラスと知恵比べ 土の声 2017.08 No.138

    ▼山形県内陸部の天童から新庄方面に北上し、日本海に注ぐ最上川に沿って車で1時間。庄内平野に入ると稲の姿が変わります。稲穂が風に揺られてキラキラと輝いているのです。この日は陽射しが強く夏日にも関わらず、車から降りても「そよ…

  • ひどい日照不足。土の声 2017.09 No.139

    日照不足の東日本。今年のお米は大丈夫?▼連日、日照不足、野菜高騰と新聞やニュースで報道されています。東京は8月に入って21日連続雨の記録。仙台はそれを上回る31日連続の雨。日照時期は例年比で33%。さらに、冷害を引き起こ…

  • 黄金色の理由 土の声 2017.10 No.140

    ▼秋晴れの午後。西に傾きはじめた陽射しに向かって車を走らせていると、目の前に黄金色に輝く海が現れます。ここは山形県天童市。農道に入ると、つがいとなった赤とんぼは目の前を横切り、サラサラサラと穂波の音、コオロギの鳴き声、イ…

  • 信頼に応えるものを作る 土の声 2017.11 No.141

    ▼東北農政局より「平成28年産 米生産費(東北)」が発表された。作付面積別に見てみると、5反歩以下の場合、10aあたりの生産費が18万4千円(労働費約4万2千円)。作付面積の平均でもある3~5町歩では、11万7千円(労働…