稲作だより,  土の声

朝食は一汁のみ日があってもいいのでは?土の声 2020.03 No.193

▼毎朝、ごはんの右隣には必ず「味噌汁」がある。ごはんのお供以上に切っても切れない仲であり、我が家の朝食に限れば、これがないことはあり得ない。同じ汁物のおでんや鍋は季節料理なのに味噌汁は暑い夏でもその座を譲らない。味のベースは超優秀な発酵食品「味噌」であることにより、旬の野菜やきのこ、海藻、豆腐や油揚げなど具材の受け入れの懐が深い。強いて言えば動物性たんぱく質が少ないぐらいである。調理は簡単でレシピ不要で誰でも作れる。当たり前の存在すぎて、潜在力を引き出し切れていないかもしれない。
▼さらにおいしく、朝から笑顔、健康増進のために、この一杯の持つ力を上げて「味噌汁2.0」 へバージョンアップしようと思う。抗がん剤の世界的権威 前田浩教授の著書「最強の野菜スープ」に万病の元「活性酸素」を消去するには野菜スープが一番、という力強いエビデンスもある。
▼イメージとしては具沢山の鍋や豚汁をヒントに、具材の量や種類を多くしたり、献立によっては動物性たんぱく質を加えてみる。残ったお肉、お魚、残り野菜も加えれば家庭内フードロスも一気に解消。味の根底を支える味噌も米、麦、豆味噌という分類に加えて各地のご当地味噌を楽しんだり、それに合わせて、かつおぶし、昆布、煮干し、焼あご、椎茸の出汁、薬味や香辛料、油、洋風調味料などを合わせる楽しみもある。さらには、薬膳的なアプローチも取り入れて不調にも対応することもできる。

▼朝食という前提で、たんぱく質を含む「ごった煮」のような具沢山味噌汁ならば、一汁一菜でなく「一汁」の日もアリなのでは。