定期宅配について

無農薬の米糠を使うとおいしい糠漬けができる 土の声 2018.08 No.150

▼精米したときにできる「米糠」。これに水と塩を加えると「糠床」になる。そこに漬けた茄子やきゅうりなどの「糠漬け」は、おいしさに加えて暑い夏の朝の癒しにもなる。糠床は、毎日世話をしていれば腐らない。塩によって雑菌が増えないというだけではなく、1gの糠床になんと10億という善玉菌の乳酸菌や酵母菌などが元気に生きているから。善玉菌が優位となっていれば、腐敗菌が入ってきても、陣地を獲得することはできない。善玉菌の集団防衛能力は高く、あの独特の臭い匂いを放つ酪酸菌は腐敗菌に対して強い拮抗作用があるのだから除外できない。
▼糠床作りで、この菌たちを入れた覚えはない。一体どこからやってくるのか。答えは、米に棲息している菌や、捨て漬けのキャベツなどに棲息している菌、さらに家庭の中の空気中に漂っている菌などになる。
▼「無農薬の米糠を使うとおいしい糠漬けができる」とよく聞く。実際にそう感じる。では何が違うのか?
 稲につく常在菌はいもち病などを防ぐ機能があることが解明されていて、有機と慣行を比較した結果、当然、有機栽培のほうが多かった。他の菌も同じと考えると答えは近い。これからの季節、出穂時期を控えて日本中の田圃でカメムシ防除とイモチ病対策のために殺虫剤と殺菌剤が一斉に撒布される。米糠は収穫してから一度も洗浄されない。よって殺菌剤で殺菌された糠より、農薬撒布のない糠のほうがよい糠床となり、健康と食の喜びをもたらすのは間違いないと思う。