稲作だより,  土の声

すずめの好物 土の声 2022.07 No.197

▼朝、会社の駐車場に車を乗り入れるとチュンチュンと鳴き声が聞こえてスズメが一斉に飛び立つ。ずいぶん前の、カラー選別機ではじかれた「玄米」と精米後の「割れ米」がごみ置き場に放置されていて再利用が難しく、これを駐車場の脇にあるハウスとハウスの間に無造作に撒いてみた。
▼食べている姿を見たいと思い、スズメの視界に入らないよう慎重にのぞき込んでも、飛び立ってしまう。廻りからは「ピュージジュッ、ピュージジュッ」「チュンピュー、ピチチー」「チチチッチチチッ」などさまざまな鳴き声が聞こえてくる。周囲を見渡してみると屋根やアンテナなどにとまっている仲間が発している。毎日この光景を見ていると安全な場所から餌場を監視する見張り役と食べる役があり、その役割を交代で担っているように思う。おそらくもう交代だよ!という声もあるはず。
▼撒いたのは玄米と白米に近く食べやすい割れた米。実はここに興味があり、上の写真を見ると一目瞭然。右が玄米、左が白米。玄米を選ぶところに考えさせれる。
▼よくみかけるカラスやセキレイはこの餌場に入っているところを見たこはない。調べてみるとは生米など消化に時間のかかるものは食べないらしい、またセキレイは芋虫などを主食としているらしく穀物は食べないという。同じ鳥でもここまで食性が違うことを今まで知らなかった。ちなみにスズメに炊いたご飯を与えると「そのう炎」になることがあるらしいので気を付けたい。
▼人間と異なりで食べすぎることはないかもしれないが、この餌場は不自然な状態なのでそろそろ片付けることにする。ぬか喜びさせてごめんなさい。