稲作だより,  土の声

ひどい日照不足。土の声 2017.09 No.139

日照不足の東日本。今年のお米は大丈夫?
▼連日、日照不足、野菜高騰と新聞やニュースで報道されています。東京は8月に入って21日連続雨の記録。仙台はそれを上回る31日連続の雨。日照時期は例年比で33%。さらに、冷害を引き起こす「やませ」も流れ込み、93年の米パニックも引き合いに出されています。
▼8月23日に宮城県登米市の生産者を訪ねてきました。空をみて「いやぁ、一カ月ぶりじゃないかな、太陽が出たのは。毎日涼しくてね。」と佐藤さん。93年と比べてどうかと訊ねてみると「あのときは、夏が来る前から寒かったよ。夏なのに晩酌には熱燗を飲んでたくらい(笑)。当時はササニシキが主流で稲穂は垂れないし、収穫は1俵。でも今年は稲刈りを遅くすれば大丈夫だよ。」と佐藤さん。野菜とお米を作る菅原さんは、「あのときは出穂前からずっと寒くて受粉しなかったんだよ、お盆のときには火にあたってたくらい寒かったよ、今年は出穂まで天気がよかったし、そこまで気温が低くないから、刈り取りを1週間くらい伸ばせば大丈夫、青米が多いくらいかな。」と一安心。
▼この2人の「大丈夫」の裏付けは、有機栽培であること。有機の土づくりでは稲の要求に合わせて有機養分を吸収するので過剰も不足も起きにくいのです。もう一つ、一般の密植栽培と異なり、株間を広くしているので、よく陽が差し込み、風通りもよく、今後心配されているイモチ病も抑えられるのです。ラスト一カ月、天候が回復すれば挽回できます。