稲作だより,  土の声

やまがたびより 土の声 2016.10 No.128

▼今年は、台風による被害が多かった。それも北海道から沖縄まで日本各地で冠水被害があった。今年の作柄は悪いのではとの予想に反し、被害は一部地域だったため、全国平均の作況指数は、「103」という高い数字。東北は、やや良の「102」(平成28年産水稲の作付面積及び9月15日現在における作柄概況・農林水産省)と豊作基調で、作柄はよいので安心した。
▼東北は稲刈り時期に入ってから雨が続き、刈り取りが進まずにいたが、全有連の生産者は、勤めに出ている兼業農家ではないために、雨の合間を縫って、刈り取りを終えることができている。「今年は、米面がいい、作柄は上々」との報告を受けている(昨年は、曇天による腹白や未熟米が目立ったものの、網目を大きくする取組みと重なり対応できた)。
▼山形の新品種「山形95号」を「元気長寿米」と「やまがたびより」と命名し、作付けをしたがこちらもいい出来栄えとなった。刈り取りを終えたばかりの酒田の堀さんの米を炊いてみると、予想以上に、香りと艶がよく、甘い。さらに心地よい粘りと「米粒」を感じる弾力を持ち、後味のすっきりとしたキレのよいうまい米ができた。
▼最後に刈り取りを待つのは、前月号でお伝えした満身創痍で米作りに励んでいる熊谷さんの「山形95号」。近くの稲と明らかに異なる、ぷくっとした大粒をつけた稲穂がずっしりと頭を垂らしている。