稲作だより,  土の声

パラパラの炒飯が作れるようになったが 土の声 2021.03 No.181

▼パラパラの炒飯を作ることができるようになった。家中に町の中華屋の臭いが立ちこもるのだが、それはうまい。煙があがりはじめた中華鍋に玉子を流し込んだら、すぐさま粒立ちのよい米山さんのあきたこまちをどさっと入れ、あのお玉を使い、空焚き防止を解除し、強火で炒める。なんといっても一番のコツは「火力」+「油の量」になのだ。
▼炒飯一人前だというのに、鍋にお玉半分くらいの油を入れ、調理中にも油を加え、最後の仕上げで胡麻油も加わる。減らすとうまくできないこの油は、摂取を控えたい「オメガ6」系。結果、パラパラ炒飯は特別な日に食べる料理に位置づけた。ほかに特別な日に食べる料理といえば、「山菜の天ぷら」と「夏野菜の素揚げ」の年数回。唐揚げやフライ、トンカツなどに至っては嫌いではないのだけれど数年に一度程度で、我が家の食卓に揚げ物があがる頻度が極端に少ない。
▼この「揚げ物」はもちろん「炒める」「焼く」料理に油は欠かせない。我が家では「米油」を使っている。オメガ6を含む油ながら、サラリとしてクセがなく(コクを求めるときには胡麻油を加える)、米特有の成分で超抗酸化物質「トコトリエノール」に抗ストレス作用を持ち、更年期障害やうつ症状を緩和する「γオリザノール」が多い。しかも、コレステロール値を下げる効果は植物油の中でもっとも高い。
▼ここ天童には米油の人気メーカー三和油脂さんがある。健康食品並みを求めるなら低温圧搾の「コメーユ」、普段使いなら「まいにちの米油」を。原料は米ぬか。米の力を使い切ると美容と健康に役立つのだからやはり米、そして現代人が取り除いてきた粕の力はすごい。