稲作だより,  土の声

小さな生き物の活動により田圃は肥沃になる 土の声 2020.06 No.172

 山形の新型コロナ感染者は5月4日を最後に約1カ月ほどゼロとなっています。ゴールデンウイークの里帰りはほとんど見られず、人の移動制限と休業要請などの結果が今に現れています。
 心配していた宅配などの流通、全国の生産者たちの感染もなく、この外出自粛中にスーパーから一時的に消えたお米や、いつもの野菜を届けられたことに、生産者、スタッフ一同、緊張してきた日々が少し和らぎました。とはいえ、北九州市のように一地域に第二波がやってくることも現実に起きています。緊急事態にこそこの宅配の重要性を再認識させられます。これまで注意をはらってきた体制を一度にゆるめることなく、命をつなぐ食の宅配事業を継続して参ります。
 米づくりの現場では、春先の低温で苗の生育が心配されましたが、なんとか取り戻し、無事田植えを終えたところです。
 ここのところ気温も高く、田圃にしっかり根を伸ばし、日に日に緑を深めています。腰を下ろして田圃を望み込むと、越冬したアマガエルが水面に飛びこみ、アメンボなどがみられ、水中には、ミジンコやイトミミズなどが元気にしている姿がたくさん見られます。これは、有機栽培の田圃ならでは。この小さな生き物の活動により、田圃は肥沃になり、その土壌構造と栄養は稲が求める一番の環境とご馳走になるのです。
 今年は猛暑との予報もあります。今から管理を続けて、暑さに負けない稲を作り上げます。