稲作だより,  土の声

干ばつの翌年は日照不足の年 土の声 2019.08 No.162

▼昨年は西日本豪雨など水の被害が多いなか、山形は干ばつに悩まされました。今年は、沖縄、九州など西日本で記録的な大雨や台風直撃、関東甲信は記録的な日照不足、東北の太平洋側は日照不足に加えて低温が続きました。
▼心配だった宮城の佐藤さんのところでは「そこまで寒くなかった。出穂前の大切な時期だけど気温が戻ってきたら大丈夫。ミネラルやケイ酸がうまく効いているのもよかったのでは」と一安心。「順調ですよ、鴨もしっかり働いてくれたから、草もなくまずまず」との声は、娘さんが本格的に米作りに参加した秋田の米山さん。稲作連合会の堀会長のところは「春先に天気が良かったから、雑草の生長が早く小さな鴨では食べきれなかったみたいだ」とこれから炎天下の草取りは必要となったものの、同じ酒田の斉藤さんも同様に、生長自体はよいと聞きます。全有連の近くに田圃がある熊谷さんのところを見てみると隣の田圃の草丈よりも短くドキッとしましたが、これは心配無用。開帳型の大株作りのため、この後に大逆転するのです。
▼東北はこれから出穂時期を迎え米作りの折り返し地点。昨年は水不足に泣かされた地域が多く、悔しい想いをしました。今年は水を十分に活かして、梅雨明け後に猛暑になろうともみなさまの想いをのせた素晴らしい米を目指して、自然と稲の調和役を続けます。