稲作だより,  土の声

新米の香りを求めて 土の声 2020.10 No.176

▼「今年はきれいな米だよ」と堀会長。稲刈りも後半に差し掛かり、同時に米の乾燥調製も進められ、ようやく玄米の姿を見ることができる。全体に完熟したぷっくりと稔った米で、未熟で粒の小さい下米も少ない上々の出来栄え。
▼春先から心配していた水不足はなく、これだけの曇雨天と梅雨明け後の厳しい暑さを乗り越えられたのも、日頃の管理と3年前からテストを続けているミネラル資材が功を奏しているはず。宮城の佐藤氏に聞いてみると「間違いなく効いている。お金はかかるけど、かかった分だけ質がよく量もとれる」と喜びの声。
▼全有連では秋田、酒田、宮城と往復6時間の集荷を続け、ようやくそれを共有できる。そして今年もみなさんと築き上げてきた有機米を食べる会の新米のお届けができる、と充実した喜びを実感する。
▼そのお届けには、特別仕様米を使用する。新米にも関わらず昔と比べて香りやみずみずしさが弱いと感じるようになった。機械乾燥機の導入はもちろん、コメ余りの時代となり、長期保管を目的に乾燥気味の調整の指導がその理由。テレビや雑誌でも「新米でも水を減らさずに炊くこと」が推奨されるほど。それでも炊き上がりの香りがよく、やわらかでみずみずしい新米を、食べたい、食べてもらいと一昨年前より、新米出荷開始から2週間ほどは、じっくりと丁寧に乾燥を行い水分を高めに仕上げた堀会長の合鴨米をお届けするようにしている(合鴨、無農薬、減農薬コース)。出遅れ気味ながらこの新米をお楽しみください。