稲作だより,  土の声

粥有十利 土の声 2018.02 No.144

▼今年は日本列島が寒波に包まれて寒い冬となっています。例年以上の寒さもあってか、インフルエンザが大流行しています。
▼風邪をひいたときに食べるものの代表といえば「お粥」。昔からお粥には十徳があると云われています。その昔をたどってみると、曹洞宗の仏典「摩訶僧祇律」(まかそうぎりつ)にある「粥有十利」(しゅうゆうじり)にあり、道元禅師が自身の「赴粥飯法」(ふしゅくはんぽう)で引用していたものでした。


一、【色】体の血つやが良くなり
二、【力】気力を増し
三、【寿】長命となり
四、【楽】食べ過ぎとならず体が安楽
五、【詞清辯】言葉が清く爽やかになり
六、【宿食除】前に食べたものが残らず胸やけもせず
七、【風除】風邪を引かず
八、【飢消】消化よく栄養となって飢えを消し
九、【渇消】のどの渇きを止め
十、【大小便調適】 便通も良い

▼お粥作りは、体調に合わせて水分量を決め(三分粥は米1:水15、全粥は米1:水5)で30分浸水。そこに補いたい栄養(梅干しや昆布をはじめ、ネギや生姜、刻んだ野菜、雑穀やタンパク質)を加えて鍋に入れ、沸騰したら弱火で30分ほど(炊飯器OK)。インフルエンザも風邪も治す薬はありません。お粥は心強い家庭の薬膳です。早く回復させるためにお粥が助けになります。