稲作だより,  土の声

アメンボの匂い 土の声 2018.06 No.148

▼田植えを終えたばかりの田圃で一番に目にする生き物はカエルとアメンボ。畔を歩くと、孵化したばかりのイナゴが誤って水面へ落ちる。するとアメンボがサッとイナゴに近づき、サッと離れ、時間をおいてから戻ってきて捕まえる。毒でも注入しているのでは?と思い、その場で調べてみると、毒ではなく消化液を注入し、その後に吸汁すると書かれている。すごい。
▼吸汁? アメンボは「カメムシ目(半翅目)」とあり納得。大きな違いは「肉食」だということ。昆虫のほかに死んだドジョウやメダカなども吸汁しているらしい。そのほかに意外な事実が、、、。
 和名として、水黽、水馬、飴坊、飴棒とある。
▼飴? これまで名前の由来は「雨」が降っては沸くようなイメージから「雨んぼ」だと思っていた。ここにもカメムシらしい機能に理由があった。カメムシは臭腺を持ち、自分を守るためにあの臭いを出す。アメンボも同じく臭いを出すようで、それが「飴」のような甘い匂いがするので「飴んぼ」ということらしい。
▼捕えると独特の飴のような匂いを出す、たしかに甘い匂いがする、飴が少し焦げたような甘い匂いとあるので、早速、田圃に行って確かめることにした。さっと手で掴み、手のなかに収めたまま匂いを嗅いでみる。なんだか青臭いような少し泥のような、、、これは田圃の水の臭い?幾度か方法を変えてみたものの、今回は甘い香りを嗅ぐことができず断念。こうすればよい、とご存知の方いらっしゃいましたら、教えてください。