第10回対話集会 全有連の提言
有機認証制度をめぐる諸問題と対応について

現在、稲作においては、6地区6名20圃場(内訳:有機12圃場/転換期間中3圃場/減農薬5圃場)
畑作においては、5地区9名18圃場(有機6圃場/無農薬9圃場/減農薬3圃場)が、認証済みあるいは、審査中(冬作物の審査があるため)という状況です。
認証の主体は行政(山形県)であり、本年度は山形県農業技術協会が認証業務の受託をし、認証実務(書類審査、現地審査、認証ステッカーの発行回収等)を行なっています。
認証費用は、本年度1申請あたり5,000円です。この度は全有連生産者生産者連合会を申請者としましたので、上記計38圃場の認証費用は、5,000円で済みました。
夏野菜などの認証を受けた時点で、認証ステッカーの発行も受け、8月の全有連フォトニュースで、会員の皆様にお知らせしました。

変わる認証手続き

認証団体である山形県農業技術協会と、毎日のように連絡を取り合いながら、冬野菜の認証手続きをすすめていた2000年10月。担当の係官より、来年度の認証手続きについての話がありました。
それによると、来年度からの認証、特に有機農産物については、必須書類が倍増し、検査費用も格段に増額される見通しとのことでした。
担当係官は、「来年度からの費用負担や、書類作成の煩雑さを考えると、面積の小さい田畑での有機認証はおそらく採算が合わなくなるおそれが大きい」との事でした。
確かに、国が主体の認証審査に必要な費用は、1件あたり、26万円(これは、事務費用から、検査員の宿泊費に人件費をすべて支払わなくてはなりません)です。

全有連独自の認証基準と認証システムの構築を検討

さて、ここでもう一度原点を振り返ってみましょう。
なぜ、有機認証が制度化されてきたのでしょうか?

それまでの「有機」の基準が曖昧だったことによる表示の混乱が、大きな背景であることは、あきらかです。一定の基準に基いた適正明確な表示方法により、不特定多数の消費者の選択の誤りを防ぐように図られています。
 しかし、現実としては、認証のための書類作成は当然なすべきこととしても、前述の認証に必要なコストは、小規模経営の多くの有機農家にとってとても大きな負担となります。
高温多湿な日本の風土では、有機農業の大規模経営化は困難であり、各地域で、各風土に根ざして、いわゆる不特定多数ではなく、会員という特定の消費者のみなさんに支えられています。

 消費者・生産者・全有連と長い年月をかけて作り上げた一つの輪の中で、互いの信頼に基いて、互いに納得する有機基準を策定し、みなさんに明示し、生産者はそれを厳守し、全有連は、栽培過程を監督するという体制を築くことができれば、必要最低限のコストで安全な農作物を消費者であるみなさんに供給する事が可能です。

 もちろん、全有連独自の栽培基準と生産者のこだわりは、自信をもっております。 以上のような意図から、全有連独自の有機基準の策定(現在の基準の確認と修正)と認証システムを確立するべく検討をすすめてゆくところです。



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