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1月 JANUARY:睦月(むつき

「季節の言葉」
●花の内
お正月の1月15日から31日までの期間を指す言葉で、元旦から7日までの『松の内』や1月4、5日の小寒に始まる30日が『寒の内』と呼ばれているのと同じような意味です。東北地方でヒエ、アワの穂や削り花を立てておくので、こう呼ばれたと言います。また、1月15日の『小正月』には木の枝にモチや団子を刺して豊作祈願するので『花正月』とも呼ばれ、稲の予祝を行うので稲の花にかけて『花の内』という説もあります。
●真冬日(まふゆび)
近年、気象庁が使っている言葉で、1日の最低気温が0度未満の場合は『冬日』といいますが、最高気温が0度以上上がらない日を真冬日と呼んでいます。北海道、東北などの内陸部では今の時期に真冬日を迎える場所があります。
●大寒(だいかん)
1月20日は二十四節気のひとつの大寒に当たります。立春の前の15日間、またはその初日で1年で寒さがもっとも厳しくなる時期です。明治35年の1月25日には映画で有名になった青森第五連隊の八甲田山遭難も起き、約200名の遭難者を出しました。
●しばれる
東北から北海道にかけて使われる放言で、寒さのあまりじっとしていると手足の指が痛くなり、さらに耳や鼻も凍てつくほどの寒さを言います。
●寒の内(かんのうち)
冬至の日から数えて15日目の1月5日が小寒。この日から始まる15日と大寒の15日の計30日間の立春の前日までが寒の内となります。1年で一番寒い時期なので寒中水泳や裸参り、寒稽古などの耐寒行事が全国で行われます。また、しみ豆腐造りなども始まり、昔の人の寒さの厳しさをいかした知恵を感じます。
◆夜ばなし
冬の寒い夜には炉端などに集まって物語の話しを聞くこと。雪国の人にとっては雪に閉じ込められたこの季節では、数少ない娯楽のひとつでもあった。そんな形で民話などが語り継がれていった。
◆冬晴(ふゆばれ)
大平洋の気候で厳寒の頃の澄み切った晴天。野外の空気はひんやりするほどに冷たく、まわりの風景が鮮明にみえる。


1月のキーワード
【自然】 小寒・大寒、 霜くれ、みぞれ、 異常乾燥、冬型気圧配置、北西の風、つらら、雪雲、寒気、初富士、初日の出、初鳩
【暮らし】 年始の挨拶、年賀状書き、整理、新年会、お正月の後始末、防火対策、年計、仕事始め、鏡開き、晴着の手入れ、年玉、能初、初荷、獅子舞、初伊勢、十日戎、歌留多、双六、福笑い、独楽
【健康】 暴飲暴食に注意、ビタミンCの摂取、加湿器のカビに注意、しもやけ、あかぎれ、感冒、薄着、高血圧、脳卒中、心筋梗塞、気管支炎
【花】  ハナウメ、ハナミズキ、ピラカンサス、雪割草、寒菊、福寿草、牡丹、冬桜、寒椿
【園芸】 整枝 ハナモモ施肥・環状施肥法根の回りに幹の5〜6倍の直径、株立ちのものでは株元直径の3〜5倍の直径で、輪状の溝を掘って肥料をすき込む。・ツボ状施肥法環状施肥法と同じ位置に、深さ50cmくらいのツボ状の穴を3〜4ヵ所掘って肥料を与える。病害虫防除ウメ、サクラ等の落葉花木は、害虫の卵や巣、病気にかかっている部分を見つけやすい時期、ツツジなどの表皮や枝の分かれ目を調べる。
【季語】 初春、若水、橙飾る、初日、冴ゆる、雪、寒月
【誕生石】 ガーネット(貞操、友愛、忠実)
【誕生花】 福寿草(思い出)、すみれ(高尚)、梅(優雅)
【時候の挨拶】厳寒 厳冬 寒気 寒風 真冬 降雪 霜柱 木枯らし 初春新春 松の内

1月の旬【魚】
【蜆 (しじみ) 】寒さが一段と厳しさを増すこの頃に食べ頃になるのがシジミ。シジミの旬は冬と夏だが、寒シジミは1月が美味。小粒より大粒を選び、口が閉じているのが鮮度がよい。シジミは黄疸を直す薬効があるといわれ、味噌汁の具にすると旨みやエキスが出ておいしい。必須アミノ酸、カルシウム、ビタミンB2、B12も豊富で肝臓、貧血に効果がある。
【鮟鱇 (あんこう) 】旬は冬から早春。味はフグに比較される。からだが柔らかくぬめぬめしているので、アンコウの口の骨にカギをかけて、つるし切りする。野菜や豆腐と一緒に割り下で煮込んだアンコウ鍋がおいしい。実ばかりか皮や内臓もあますところなく食べ、特に肝臓(トモ)、胃袋(水袋)、卵巣(ヌノ)、ほお骨(柳肉)、エラ、ヒレ、皮は、アンコウの「七つ道具」といわれ、珍味としてもてはやされている。
【金目鯛】タイと名が付いているが、タイ科の魚ではない。旬は冬だが、6月頃も脂がのっており、その刺し身はプリプリした歯ごたえと脂の甘さがあっておいしい。煮魚の場合は、目玉の回りのトロリとしたところまで食べるのがよい。頭とヒレの付け根の肉は歯ごたえもあり美味。
【赤魚鯛 (あこうだい) 】産卵期前の晩秋から冬にかけて味がよい。水分が多く、身が崩れやすいので、煮付けたり、味噌や粕に漬けてから焼いたりすると、身が締まっておいしくなる。
【鮒 (ふな) 】小鮒は、甘露煮や昆布巻きに利用される。大きな活魚は洗いや辛子味噌和えに、特に寒鮒が美味。
【眼抜 (めぬけ) 】赤魚鯛の一種で、両者を混同して売っていることも多い。濃いめの味で煮付け、空揚げ、粕漬けなどに向く。脂肪が多いので、鍋物や汁物にする時は湯通しするのがコツ。
【ほうぼう】白身で締まった肉質を持ち、味も鯛に匹敵する高級魚。市場には秋から春にかけて出回るが、旬は冬。淡白な味のため、どんな料理にも向く。生きの良いものは薄作り、昆布じめなどにするほか、ちり鍋、魚すき、ブイヤベースなどにする。
【牡蠣】流通しているカキは、養殖物が主流とはいえ、やはり冬場がおいしい。カキの旨さは、二枚貝の中でも脂質、グリコーゲンを多く含むためである。グリコーゲンは、肝臓の働きを助ける効果がある。また、銅や鉄などの無機成分や脂溶性、水溶性のビタミンを多く含み、貧血にも効果がある。
【鰤 (ぶり) 】天然物は冬が旬。現在では天然物をブリと呼び、養殖物をハマチと呼んで区別することが多い。脂ののった寒ブリはおいしく、刺し身、塩焼き、照り焼きなどにする。
【ずわい蟹】山陰地方では松葉ガニ、福井では越前ガニと産地によって呼び名が変わる。メスはオスに比べ小さい。特に卵を抱いているものは珍重され、未成熟卵の内子(うちこ)を持っているものは市場価値が高い。オスは足の肉は多く、しかも甘くコクがあるので、グルメにとってはカニの王様といわれる。

1月の旬【野菜】
【薺(なずな)】正月の七草の一つ。七草粥に入れて食す。花は春に咲き、ぺんぺん草とも呼ばれる。
【芥子菜】ピリッとした辛みと香りがあり、葉や茎は漬物に、種子は香辛料(マスタード)に利用される。ザーサイは茎を漬物にしたもの。
【白菜】春と秋から冬の年2回収穫されるが、11月終わりから2月までは甘みが出て一番おいしく、鍋物の需要も高く出荷量が多い。白菜は見るからに栄養分が少なく感じられるのだがビタミンCはみかんと同じくらいで、カルシウムの量は人参やセロリ程度は含んでいる。そのうえ大量に食べてもカロリーは少ないので太らない。のぼせを下げて便通をよくするので、高血圧の人におすすめである。
【ほうれん草】年中出回ってはいるが、根元が赤くなる冬が旬。冬場のほうれん草の赤い根元は栄養価が高く、貧血症に効果があるマンガンが含まれる。
【大根】産地と品種を変えて1年を通して出回っているが、多く出回るのは10月〜3月。デンプンを消化する働きをもつアミラーゼを含んでいるので、ご飯のおかずにピッタリである。
【京菜】京菜は水菜の一種で、京都が原産地といわれる。出盛り期は1月〜3月。京菜にはカロチンやビタミンCが多く含まれており、関西や九州では新鮮なものを鍋物(クジラ肉や油揚げと煮る)に用いたりする。霜が降りた頃のものは味も風味もよい。
【芹(せり)】春の七草の代表的な水菜。旬は早春から初夏。葉にはビタミン類も含まれており、食欲増進や冬場のビタミン補給に役立つ。また、発汗作用や補湿作用もある。
【ブロッコリー】冷涼な気候を好むブロッコリーの旬は、冬から春先。ビタミン類、鉄分をふんだんに含み栄養価が高い。ゆですぎるとビタミンの損失が大きくなるので気を付ける。

1月の旬【果物】
【金柑】最盛期は12月〜2月にかけての真冬。皮にはビタミンCが多く、丸ごと食べるとかなりのビタミンCがとれ、風邪予防にもなる。
【凸柑(ぽんかん)】12月〜3月に出回る。頭の先端がコブのように突き出しているのが特徴。果汁が多く、甘みと香りも強くておいしい。
【ネーブル】ネーブルオレンジは、早生種で、11月〜4月頃に出回る。ビタミンCを多く含み、皮は砂糖漬けやシロップ煮、マーマレードにも適している。