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2月 February:如月(きさらぎ)

季節の言葉
●節分(せつぶん)
2月3日は節分。本来は季節の変わり目を言う言葉で、立春、立夏、立春、立冬の前日を言いました。ですが室町時代からは立春の前日が重んじられるようになり、現在まで続いています。季節の変わり目には、病気になりやすく病魔や悪鬼が横行すると思われて来ました。それを追い払う行事として行われるようになりました。
●立春(りっしゅん)
節分の次の日の2月4日は、二十四節気のひとつの立春に当たります。この日が二十四節気の最初の節であり、古くは立春を1年の始まりとしたために、この日から数えて88日目が若葉が茂る八十八夜、さらに210 日目が台風が来る二百十日になります。暦ではこの日を境にして春になると考えられ、春の気配が表れて来る日でもあります。曹洞宗では立春の日に「立春大吉」と書いた札を、玄関などの家の入口に張る風習もあります。
●凍解(いてどけ)
冬に凍てついたものが一斉に解け始めることをいいます。春の日差しで凍っていた池や湖、大地などが、ゆっくりと解けていきます。そして気温が5度から10度になると植物は冬眠からさめ活動を始めてきます。
●余寒(よかん)
立春後の寒さのことを言います。寒の戻りのように寒さは開けたのに、まだ寒いとやや怨みがましい思いも込められています。
●雨水(うすい)
二十四節気の一つで、立春の後の15日目の19日が雨水に当たります。雪が雨に変わり、雪や氷が溶けて水となるころなので、こう呼ばれました。また、冬型の気圧配置が崩れるころで太平洋側や関東でも大雪が降るのがこの頃です。北国ではまだ雪が深いですが、農家では農耕の準備に入ります。
●春一番(はるいちばん)
春になって初めて吹く強い南風のことで、春の嵐でもあります。もともとは漁師たちが使っていた言葉で、2月下旬の頃が東京、大阪での春一番の時期です。春一番で木々の芽がゆるみ、春二番で花が咲き始めて春を告げる風でもあります。
●下萌(したもえ)
春になって草の芽が地上にのびて出てくることを言います。冬枯れの地面から顔を出す新芽は、植物の力強い生命力を思わせます。雪国でも雪が溶けるとその下には淡い緑の芽が出ており、春を雪の中でもひたすら待ち続けています。
●駒返る草(こまがえるくさ)
冬の間は一面が枯れているように見えた草が、春になり、急にいきいきと蘇ることをいう。一般に「駒返る」とは、年老いた人がふたたび若返るさまを表す言葉。また「若返る草」ともいいます。
●雪間草(ゆきまぐさ)
春になり気温が暖かくなり、まわりの雪がとけ始め、その間から萌え出た草々をいう。春が遅い雪国では、春の到来を告げるものとして歓迎されます。

2月のキーワード
【自然】 大雪、立春、梅花前線、異常乾燥、寒もや、雪崩
【暮らし】 旧正月、虫干し、一酸化炭素中毒予防、豆まき、防火対策、もどり寒波、スキー・スケート靴の手入れ、成人病検診、アルカリ性食品で栄養バランス、入浴で血行をよくする。
【健康】 乾布まさつなどで皮膚を鍛える、ガス中毒の応急処置、しもやけ、あかぎれ、ひび、感冒、高血圧、脳卒中、心筋梗塞
【花】 オウバイ、カンボケ、ロウバイ、マンサク、ハナサフラン
【園芸】 蔓ものを棚、竹垣、ポール、アーチなどへ誘導(クレマチス、ツキヌキニンドウ、ツルバラ、ノウゼンカズラ、ビグノーニア、フジなど)、施肥(1月にやり残した寒肥を与える。シジミバナ、シモツケ、ツツジには油粕や鶏糞、ボケには油粕鶏糞、骨粉、木炭を。ボタンには油粕の腐汁、即効性の化学肥料を与える)病虫害防除(アジサイ、バラ、ボタンに石灰硫黄合剤を散布する。新芽や新葉のないこの時期が最適)鉢替え根切り、サクラソウの植え替え。
【季語】  立春、早春、寒明、春浅し、残雪、春寒、東風、雪解、雪しろ冴返る、春めく、余寒、遅春、二月尽
【誕生石】 アメジスト(誠実)
【誕生花】 スイセン(高潔)、スイートピー(恋の楽しみ)、ヒヤシンス(戯れ)
【時候の挨拶】節分、立春、晩冬、春寒、余寒、残寒、寒明け、梅のつぼみ

2月の旬【魚】
【鱈(たら)】12月〜1月に旬を迎え、冬の味覚の筆頭にあげられる。タンパク質、脂肪分が少なく、淡白な白身である。タラの卵巣はとても栄養価が高く、代謝機能を活発にするビタミンB2が多く含まれている。
【金糸魚(いとより)】脂ののった白身で、何にでも向くが、骨が堅く、身が柔らかいので扱いを丁寧に。焼く場合には網でなく、金ぐしを打つとよい。
【白魚(しらうお)】淡白な味でほのかな甘みがあり、春の魚として好まれている。大根おろしと共に生で食べたり、天ぷらやフライ、卵とじ、吸い物やすし種としても使われる。
【公魚(わかさぎ)】旬は冬。1月〜3月頃がワカサギ釣りの最盛期。小骨が気にならないので食べやすく、フライや佃煮にして食べる。産卵は早春で、卵を持ったメスが美味である。
【笠子(かさご)】冬が食べ頃。白身の魚で大変おいしいが、刺(とげ)が多く、さばき難いのが欠点。刺し身で食べる時はとれたてか、その日にとったものを使う。歯ごたえがあり、なめらかでプリプリし、甘みもある。吸い物や味噌汁、煮付けにしてもおいしい。
【鮪(まぐろ)】黒マグロの旬は脂ののる冬。マグロの赤身と脂身とでは、脂肪分量が大きく異なり、特に旬の頃の大トロの脂肪含有量は40%にも達する。他にマグロには、ヒスチジンやアンセリンなどのエキス成分がたっぷり含まれている。

2月の旬【野菜】
【小松菜】寒さが本格的に厳しくなる頃が旬の、冬の代表的な青菜。ビタミンA、B2、Cを多く含み、カルシウム、鉄分も含んでいる栄養価の高い野菜。
【チンゲンサイ】中国野菜で、冬場の貴重な青物として、お浸し、汁もの、中国料理に利用されている。くせがなく、白菜のような歯触り。ビタミンA、カルシウムやカリウムを多く含んでいる。
【独活 (うど)】寒ウドは早生で11月〜2月が旬、春ウドは4月〜6月が旬。アクが強く、ビタミン類はアク抜きの際に流出してしまうが、独特の香りとさくさくとした葉ざわりは、春の山菜らしい味わいがしてよい。
【ふきのとう】フキの花蕾がふきのとう。旬は冬で、自生のものよりハウスものの方が柔らかい。アク抜きをして、天ぷらやみそ汁の実にしたり、刻んで甘辛味噌のあんにしてもおいしい。ほろ苦い風味を楽しむ。
【菜の花】春を告げる緑黄色野菜。花蕾型のものはビタミンA、C、カロチンが多く、カリウム、カルシウムを含む。

2月の旬【果物】
【りんご】りんごの旬はもう終わったが、フジなどが店頭に並ぶ。果肉は多汁で締まっており、日本人好みの味。貯蔵性も高い。5月〜8月頃まで輸入りんごが並ぶようになり、一年中店頭でお目見えできる果物となっている。【八朔】12下旬から収穫が始まり、貯蔵後1月〜5月の間に出荷され、2月〜4月が一番の食べ頃となる。肉質がかたいため、歯ごたえがあり、食味のよい柑橘類である。紅ハッサクは従来のハッサクよりも果皮や果肉の色が濃く、甘みが強い。