【手仕事】はじめての梅干し作りの指南書

はじめての方の梅干し作り

円形の梅詰め

梅干し作りの基本

★塩の量:梅の重量に対して18%(食塩濃度は15%)

はじめての方はこの昔ながらのしょっぱい梅干しの塩分で。失敗が少なく、長期保存を可能にする塩分です。

わたしはカビをはやさない自信がある!という方でも、はじめてなら15%ほどで。冷蔵庫でつけるから10%でやってみる!という方はどうぞ。

★塩は、天日塩・甘塩がおすすめ

 塩がおいしければ、塩の感じ方も異なり、梅干しはおいしく、ミネラル分も豊富になります。自家製だからこそ、精製塩を使わずに作りたいものです。

ちなみに精製塩の塩化ナトリウムは99.9%、伯方の塩は95.2%、赤穂の塩は92%。岩塩は、マグネシウムを含まず、溶けにくいのでおすすめできません。

漬け込む前に梅の量を再計量し(はじいた分などがあるため)、塩の量を求めてください。
この塩分にすると常温・長期保管が可能です。まずはこの塩分で失敗のない梅干し作りを経験して、減塩梅干し作りへ。

★梅干しの漬物樽のサイズ:5kgなら15型(トンボ規格)

 保管場所の兼ね合いもありますが大は小を兼ねます。高さがあるより薄くならべたほうが水のあがりもよいのです。漬物用の袋もありますのでひと回り大きいサイズをご用意してください。

★重石:梅と同量の重石を二つ(5kgなら5kg×2個)

 水があがるまで(3~4日)二つ。水があがったら一つに。

※梅の熟度で重石を加減する(完熟の場合は軽くする・底には青、上は黄色など)。水を入れたペットボトルなどで調整も可能。1~2日ほどが経ち、水があがりはじめたら、それを呼び水として樽ごとゆっくり廻してなじませるとさらに水の上がりが早くなります。

はじめての梅干し作り 下処理篇

整列梅

梅を手に入れたらまずは追熟させる

梅は一つ一つ丁寧に扱うとその後の傷みも少なくなります。梅は完熟すると黄色くなります。その一歩手前がベストです。

梅の到着後に・・・袋から取り出して傷んでいるものはすぐに取り除き、常温で1~2日ほど追熟させます

梅がやや黄色くなると香りもよく梅酢があがりやすくなります(追熟後に傷みや皮に茶色いシミのあるもの、色が変わらないものは取り除きます)。

熟度が過ぎると皮がやぶれやすくなりますので、全体の8割ほどを目安に(黄色くなってきたな、香りもよくなってきたな、まだ少し青いところもあるかな)追熟を終了して漬け込みます。

※追熟がほかより遅い青い梅は、実や皮が硬ったり、紫蘇の色が入りずらいので、追熟を待たずに別に利用したほうがよいです。少量でも蓋のある小瓶などを利用して「梅酒」、「醤油漬け」「味噌漬け」「味醂漬け」や「お酢漬け」も簡単で食卓を楽しくする飲料や調味料となります。傷んだ梅も黒ずんだ部分をカットし同様につけられます。

下処理方法

 1. 届いた梅を常温に戻し選別して追熟させます。やや黄色みがかり、梅のフルーティ―な香りがする頃。

 2. ヘタを爪楊枝などで取り除きます。 

 

 3. 梅を樽に入れて水に30分ほど漬けておき、梅同士を軽くこすりつけるように水洗いします。

 4. キッチンペーパーなどでよく水気をふき取り、陰干しで乾燥させます(重要)。

 5. カビ対策として焼酎を霧吹きで薄く吹きかける。

 これで下ごしらえ終了です。

漬け方の手順
  1. 漬物用のビニールを漬物樽に入れる。
  2. 底に塩をして、梅を一段ずつ並べて、塩を振る(一回に一掴み弱・残量を見ながら)、を繰り返す。
    ※最後に塩を多めにかけたいので、一掴み程度を別にとっておく。
  3. 詰め終えたら梅の上に焼酎を吹きかけ、中蓋をのせ、その上に重石をのせる。
  4. 最後に全体に焼酎を吹きかけたら袋を閉じて密封します。
    ※ビニールを使わない場合は重石ごとラップで包む。

  5. これで漬け込みは完了です。梅酢があがり土用干しするまでカビが生えなければ、ほぼ成功です。
紫蘇を使う場合

ボールに塩をたっぷり入れて、パン生地をこねるようによく揉む→アク(泡)が出てくるのでそれを搾って捨てるという工程を3~5回ほど行い、梅と一緒に漬け込む。すでに加工された揉み紫蘇もあります。

土用干し

晴天が続く日を狙って三日三晩。梅を揉みながら天地返しをする。

※皮がやぶれてしまったものは、その場で取り除き、食べてしまいます(食べられます)。一度梅酢に戻し、もう一度天気の良い日に天日干する方法でも可能です。
※紫蘇は梅干し瓶詰後の蓋変わりにのせます。
※カラカラになるまで干せば「ゆかり」に。
※梅を干す理由・・・皮がやわらかくなる、乾燥させて保存しやすくなる、赤梅酢に戻せば色づきもよくなるなど。
※「土用干しは梅雨明けの~」にこだわらずに、晴天が続く日であればいつでもいいと思います。
※干した梅をまた梅酢に戻してそのまま保管している方もいます。保存瓶に詰め替えて終了!
※梅酢は保存ビンに入れて。紅生姜作りや料理の隠し味、夏場の栄養ドリンクに。

最後に裏技・少量でつける場合

1kgくらいであれば、下処理をした上で、ジップロックなどの梅と塩を入れ(破れるのが心配なときは二重にして)、その上にペットボトルなどの重石を置いておけば梅干しができます。これを数袋漬ければそれなりの量にもなります。

水があがってから冷蔵庫で保管するのであれば、塩は10%ほどの低塩分でもできます。2~3日程度干して瓶につめて冷蔵庫保管がおすすめです。干さなくても半年後くらいにはトロリとおいしい梅漬けになります。

最後に。はじめてつくるときには基本に忠実に(昔ながらのしょっぱい梅干しですが)。水がしっかり上がるまでカビに気を付けて。これをクリアすれば成功率はぐっと高まります。大粒の南高梅、中粒の白加賀、好みの干し加減や紫蘇の有無、三年後の味わい、、、自家製の梅干し作りをどうぞお楽しみください。

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