賢いおとなの選択「お酢」の健康効果と選び方、手作りしたいお酢のレシピ

お酢は、調味料のひとつで様々な調理への効果があり、高血糖や高血圧の抑制効果、脂肪燃焼などの効果も続々と報告されている「おとなの強い味方」となる健康食品でもあります。

お酢の効果~調理篇~

お酢は、以下のような効果があります。覚えておくと料理のヒントになります。

◎減塩効果

お酢、酸味があるため、味を際立たせる効果があります。そのため、お酢を使うことで塩分を減らしても、味を薄く感じることなく、おいしく食べることができます。

◎腐敗防止効果

お酢に含まれる酢酸が、食材の腐敗を防ぐ効果があります。酢飯やしめ鯖やコハダの酢漬けなどの足の早い魚に使ったり、野菜や果物を酢漬けやピクルスにすると長期保存ができます。

◎食材をやわらかくする効果

お酢に含まれる酢酸が、食材をやわらかくする効果があります。例えば、肉をお酢で下味をつけることで、より柔らかく仕上がります。

食材のアクを取り、変色を抑える効果

ごぼうやレンコン、ナスにうど、長いもなど酢水に漬けておくとアクや苦み成分が弱まり、変色防止にも役立ちます。里芋を1Lに大匙1のお酢を入れたお湯で下ゆでするとぬめり取りができます。

◎食材の発色を強くする効果

紫の色素の成分であるアントシアンはお酢につけると色が強く発色します。紫キャベツ、紫玉ねぎのマリネ、赤しそジュース、赤かぶ酢漬け、紫の食養菊の下ゆでや酢の物など。

◎風味を引き立てる効果

お酢には、独特の酸味があり、料理に爽やかな風味を加えることができます。汁物や炒め物、煮物などで味が決まらないときに数滴たらすだけでも効果が得られることもあります。

◎表面の汚れを落とす効果

お酢に含まれる酢酸が、食器や調理器具の表面の汚れを落とす効果があります。お風呂の石けんカスなどはアルカリ性の汚れなので酸性のお酢で取り除くことが可能です。

 

お酢の効果~健康篇~

◎血糖値の上昇を抑制する効果

お酢に含まれる酢酸が、食後の血糖値の上昇を抑制する効果が報告されています。これにより、糖尿病予防にもつながると考えられています。

◎脂肪を燃焼させる効果

お酢は、脂肪の燃焼を促進する効果が報告されています。これにより、ダイエット効果が期待できるとされています。

◎高めの血圧を下げる効果

お酢は、血管を広げる作用を持つアデノシンに働きかけるて血圧の上昇を抑えてくれます。血管を約大さじ一杯(15ml)の食酢を10週間摂取する実験を行った結果、高めの血圧が優位に低下しました。

◎胃の調子を整える効果

お酢に含まれる酢酸が、胃の酸度を調整する効果があります。胃酸が弱まりすぎると、消化不良や胃もたれなどの症状が起こりやすくなりますが、お酢を適量摂取することで、胃の調子を整えることができます。

◎疲労回復効果

お酢に含まれるクエン酸が、疲れた体を回復させる効果が報告されています。クエン酸は、疲労物質の乳酸を分解し、筋肉の疲れを取り除くことができます。また、クエン酸には、疲れた脳をリフレッシュさせる効果もあるとされています。

◎カルシウム吸収効果

お酢に含まれる酢酸は、カルシウムを吸収しやすい形に変えて吸収率を高めます。野菜ではドレッシングにお酢を使ったり、魚では、南蛮漬け、肉では、骨付き肉の煮込み料理、貝類では、あさりの汁物など料理にお酢を活用して。

 

お酢の分類と使い分けのおさらい

 

①穀物酢(麦、コーンなど)

「すっきりした酸味」で、豚肉や鶏肉などの煮物、炒め物、クセがなくさまざまな料理に使える。

②米酢(米)

「甘みのある酸味」で、すし酢や合わせ酢に。加熱に弱いため、酢の物や浅漬けなどに。

③りんご酢やワインビネガー(果実)

「フルーティーな香りと華やかな酸味」で、マリネ、ドレッシング、ピクルス、カルパッチョなど。

④黒酢(玄米を長期熟成)

「コクのある酸味」で、酢豚やあんかけ、照り焼きや黒酢炒め、冷やし中華、餃子、飲用など。

⑤その他

・粕酢
酒粕で作ったお酢でどっしりとしたコクがある。すし酢、酢味噌

・バルサミコ酢
ワインを長期熟成させたもの。深いコクと酸味と甘みがある。お肉のソースやドレッシングに。

・シェリー酒ビネガー
シェリー酒を原料とした香りが強くまろやかな酸味がある。ドレッシングや臭み消しを利用してレバー料理に。

・シャンパンビネガー
シャンパンを原料にしたお酢。酸味が強いがシャンパンの香りがする。クリーム系の料理やソースに。

・中華料理におすすめの香醋、アメリカのモルトビネガー、きび酢など。

 

 

おとなのお酢選びのコツ

まず、お酢のおもな伝統的な製造方法を知っておく

①米麹や麦麹などの糖化させた原料に水を加えてもろみを作ります。②もろみを餌に酵母菌がアルコールを作ります。③そのアルコールを酢酸菌が酢酸を作ります。
※アルコール濃度は10%前後、酸度4%程度。※酵母菌や酢酸菌は、蔵の空気中や樽についていた自然の菌や種菌を用います。

果実酢は自然にまかせても作れる

果実酢も同じ流れです。りんごや柿、ぶどうなどの果物をミキサーにかけて瓶に入れておくと、ブクブクと発酵がはじまり、それが落ち着くと酵母菌によりアルコールが作り出されます(このころはスパーリングワインのような状態です)。

そのまま放置しておくと酢酸菌が酢酸を作りはじめ、数カ月経つと、とても香りのよい酸っぱい液体になります。それをろ過して静置しておけば、立派なお酢ができます。3年ほど熟成させるとフルーティーな香りと奥深いコクを持つお酢に仕上がります。

しかし大量生産されるお酢は原料の割合も製造方法も違う

一方、価格を抑えた大量製造では、温度や時間を徹底管理し、①の原料をJIS規格の最低限にした上に、「工業用アルコール」を添加して、②の工程を省き、ついで酢酸菌を加えてお酢にします。

よって、水にわずかな原料、アルコール、酢酸しか使われいないので、味に深みはなく、ツンとした酸味があるのです。お酢としての防腐効果や調理上の効果は期待できますが、おいしさを楽しむものとしては力不足です。

<参考:お酢のJIS規格>
◎穀物酢
酢1ℓ中に小麦などの穀類が40g以上 酸度4.2%以上
◎米酢(米酢、純米酢、純玄米酢、黒酢など)
酢1ℓ中に米が40g以上(米のみ140g以上)
◎果実酢(りんご酢、純りんご酢、ぶどう酢、かき酢など)
酢1ℓ中に果汁が300g以上 酸度4.5%以上
◎醸造酢
穀物酢、果実酢以外の醸造酢 酸度4.0%以上

 

まとめ「お酢の選び方」の3つのポイント

1.用途が異なる、穀物酢、米酢、果実酢、黒酢を取り揃える

たとえば、穀物酢しか使っていないという方は、まずはじめにりんご酢を加えてみてください。料理の味の幅がぐっと広がります。

2.原料にアルコールが含まれていないものを選ぶ

アルコールが含まれていないと原料の風味が豊かな証拠です。お料理をおいしくしてくれるだけでなく、さまざまな効果を持つ成分が多種多様になり、健康効果も高いということ。

3.味付けしたお酢、だし酢は買わない(ドレッシングも)

だし酢などは、旨味調味料であるアミノ酸や酵母エキス、たんぱく加水分解物などが入っている場合がほとんど。その旨味が主体の味になり、食材と自然な調味料本来の響きあう味を失ってしまうからです。

そこで「手作りのだし酢」をおすすめします。

手作りのドレッシングやだし酢、ポン酢の作り方
手作りのだし酢の作り方

我が家ではガラスの麦茶ボトルに、昆布、厚削りの鰹節、煮干し、生姜の皮、レモンなどを入れて使っています。出汁の味わいのほかに酸味がやわらかくなり、二倍酢として、醤油を加えて三杯酢として使えます。出汁は1年に1回くらいで変えるまでお酢や出汁を継ぎ足しで使っています。

まずはじめに小瓶でもよいのでお酢と昆布と鰹節を入れて1週間以上経ったものを味わってみてください。感動する味わいだと思います。

手作りポン酢の黄金比

ゆず果汁7:上記の手作りの出汁酢3で簡単に風味豊かなポン酢ができあがります。ここに醤油を加えて。

おとなは市販のドレッシングを買わない、使わない。
ドレッシングも同様の理由に加えて、油に問題があるから。できるだけ避けたいオメガ6系の油です。しかも精製度が高くミネラル不足、これに風味添加物の調合で味付けしているだけの油だからです。ドレッシングを使わずに、塩と胡椒、ハーブやレモンを基本に。

手作りのドレッシングの黄金比

オリーブオイルとワインビネガーやりんご酢にはちみつ(4:1:1)を加えてブレンダーで混ぜ合わせるだけを基本にして、お好みで柑橘やハーブやスパイスを加えれば風味は無限大。お料理の味と健康への貢献度がガラリと変わります。ドレッシング作りは2分もあればできます。是非お試しを。

 

血液サラサラ、糖尿病予防に酢玉ねぎを

玉ねぎの硫化アリルによる血液サラサラ効果やお酢の血糖値や血圧の抑制効果、そしてオリゴ糖による腸内環境を改善し免疫力を高めることができます。

サラダやお肉にかけて。作り方は簡単。玉ねぎ1個をみじん切りにしたら塩を一つまみほどふりかける。30分ほど空気にさらしてから、同量のお酢とはちみつ大匙2杯ほど加え、一晩寝かせたらできあがり。和風ならだし酢を使い、洋風なら白ワインビネガーとハーブを加えて。

さいごに、お酢は、冷暗所においておけば、腐ったり、著しく風味が落ちることはありません。いつもと違うお店や旅先でおいしそうなお酢を見つけたら是非購入してみてください。お料理がさらに楽しく、おいしくなる1本となります。

 

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